□投稿者/ 会津高校 -(2010/04/26(Mon) 21:35:36)
 | スタンス
自己決定の定義です。
web資料 2002年 生命倫理21 小松美彦氏より引用開始
「自分のことは自分で決める。そういう権利を有する。そこに個人の権利がある以上、他者が干渉することはできない。「自己決定権」とは、他者の干渉を禁止するところまでまでセットになった考え方です。」終り
これは安楽死にも当てはまります。
資料 2000年2月27日 『哲学』19号 後藤博和氏より引用開始
「安楽死では、医師や家族によるパターナリスティックな決定ではなく、知的判断力のある患者自身の自発的かつ持続的な要請こそがその正当性の根拠とされる。」終り
しかし、日本で患者が定義した自己決定をなすのは困難です。
資料 2005年6月号 『協う』市川寛氏より引用開始
『・の個人主義の徹底とは、「安楽死という、自分の生死に関する最重要の問題に、自分自身が向き合って、主体的決断を下せるか、否か」を意味しているが、告知や治療について、患者本人より家族を優先する風潮がある日本においては、自らの死の自決権を行使することは困難である。』終り
従って周囲に影響されやすい日本人は自発的な自己決定は不可能です。このような風潮で安楽死の法制化をすべきではありません。
デメリット 不本意な死
現状分析
１：患者の本心
患者は家族に迷惑をかけずに死ぬことを望んでいます。
資料 2005年3月11日 安楽死と末期医療 恩田 裕之氏より引用開始
『40歳〜79歳までの全国の男女を対象としたアンケート調査によると、理想の最期として、「心筋梗塞などで、ある日突然死ぬ」と回答した人が64.6%、「病気などで多少寝込んでもいいから、少しずつ死に向かっていく」と回答した人は31.7%となっている。「突然死ぬ」ことを理想の最期とした人にその理由（複数回答）を聞いたところ、「家族にあまり迷惑をかけたくないから」（85.9%）が、「苦しみたくないから」（62.3%）を上回っている。』終り
又死にたくないと思っています。
Web資料 平成14年 死にゆく患者の心に聴く 柏木哲夫氏より引用開始
『しかしがんが進んで、衰弱はだんだん進んできたのです。そういうときに、最後の外泊、正月を家で迎えます。ご本人も最後だということがわかっておられるし、ご家族も最後だということはわかっている。暮れの回診のときに、患者さんが、「先生、仕方ないけどやっぱり死にたくないです」と言われるのです。』終り
２：家族への負担
患者は家族への負担を心配しています。
資料 先ほどの恩田氏より引用開始
『また、患者は自分の病気に起因する身体的苦痛だけではなく、看護する家族の精神的・経済的負担を心配することも多い。1日でも長く生命が続くことは、その間、家族に看護を強いることになり、経済的にも負担をかける。』終り
発生過程
１：圧力
安楽死の選択という無言の圧力が生じます。
資料 2003年9月号国際文化学研究 山��康仕氏より引用開始
『あるいは、「安楽死」の合法化が社会の弱者に対してもつ無言の圧力に対する懸念が強く表明される。「人々がある治療を受けることができるべきか、あるいは中止すべきかどうかを考える場合、問いは普通「その治療は負担であるか」である。安楽死に関しては、さらに「その人は負担であるか」と問われ続ける。それゆえ決して安楽死を要請しなかったであろう弱者の患者にとっては、その行為の存在だけで―提示されねばならない選択肢としてこれが存在するというだけで―それ自体圧力になるのである。」』終り
２：不当な自己決定
実際に合法化されたニューサウスウェールズ州では安楽死法により患者は安楽死を選ぶ傾向にあります。
資料 1997年4月2日 朝日新聞より引用開始
『ニューサウスウェールズ州疼痛緩和ケア協会も「(安楽死法は)すごいプレッシャーになっている。一部のお年よりは最後の二，三カ月を生き延びるより、安楽死を選ぼうと感じ始めている」と発言する。』終り
３：死の義務化
不当に自己決定がなされ、死ぬ権利ではなく死の義務化となります。
資料 先ほどの山��氏より引用開始
『すなわち、もし安楽死法が合法化されるならば、文化的・社会的モーレスが時間をかけて変化し、その結果、死ぬ権利よりもむしろ死ぬ義務を受け入れることになるだろう。』終り
以上３点の発生過程より、患者が安楽死を選ぶ際に自発的に決定するのではなく「あの人は家族に迷惑をかけずに死んだ」といった周囲の話や社会の無言の圧力の中で死を選ぶことになります。こうして不本意に死を選択する人が出てきます。
深刻性 弱者切り捨て
法律自体が社会的な弱者切り捨てのメッセージとなり深刻です。
資料 先ほどの1997年朝日新聞アンドリューズ下院議員の発言より引用開始
『安楽死法は弱い者は不必要だとの社会的メッセージになる。』終り
よって社会的弱者の患者に生より死を選ばせるプランは国策として絶対導入すべきではありません。
（1993文字）
【資料】
＜スタンス＞
東京海洋大学教授 小松美彦氏 http://seminar.econ.keio.ac.jp/takakusakisemi/document/020922_komatsu.html#2
（http://seminar.econ.keio.ac.jp/takakusakisemi/document/index.html）
関西大学非常勤講師 後藤博和氏 http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~tsina/kubes/gotoh00b.htm#21（http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~tsina/kubes/fromKB.htm）
京都府立大助教授 市川 寛氏 http://ha1.seikyou.ne.jp/home/kki/kanau/kanau93/932colo.html（中国語で表示された場合エンコードで日本語訳に直せます。）
＜現状分析＞
１：国立国会図書館社会労働課 恩田裕之氏 http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/0472.pdf（現状分析２も同様）
大阪大学 大学院人間科学研究科教授 淀川キリスト教病院 名誉ホスピス長 柏木哲夫氏 http://www.manabi.pref.aichi.jp/general/10001897/0/kouza/section4.html（http://www.manabi.pref.aichi.jp/general/10001897/0/index.html）
＜発生過程＞
１：神戸大学教授 山��康仕氏 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81001267.pdf（発生過程３も同様）
２：1997年4月2日 朝日新聞（深刻性も同様）
ありがとうございました。
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否定側立論
/ 会津高校 (10/04/26(Mon) 21:35) [#6] ←Now
肯定側質疑
/ 岡山操山高校 (10/04/27(Tue) 23:00) [#7] 
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