 | こんにちは、この試合をジャッジすることになりました田村です。
さっそく判定を行っていきたいと思います。
肯定側のメリットは「動物の保護」です。
現状では年間に29万匹以上が捨てられ、多くが殺処分されていて、それは飼い主が
安易に捨ててしまうこと、ペットショップが商品にならない犬や猫を保健所に
引き取らせていることが主な原因であると分析。
プランを導入すれば、ペットを簡単に手に入れられなくなるので飼い主は
捨てなくなり、ペットショップはペット自体を扱わなくなるので捨てられたり
殺処分されることがなくなる（＝メリット)と主張しています。
動物の命にも基本的権利があるため、これが守られることがメリットの重要性で
ある、と説明しています。
【１】立論段階での評価
まず、立論自体の評価をしていきます。
現状で年間29万匹が捨てられているという資料は特に疑うべき理由もなく、
否定側も反証していませんのでこの通り受け止められます。
a飼い主はプランによって行動を変えるか
しかし、次の飼い主の行動に関する資料、「・・・気軽に飼われ、飽きたら・・・
捨てて・・・どれほど多いでしょう」は、どのくらいの人数(割合)の飼い主が、
どのくらい簡単にペットを手に入れられて、さらにどのくらい安易に捨てて
しまっているのかを具体的に説明しているとは言えません。
プラン後の世界と現在との違い（＝メリット)があいまいになってしまいます。
現状との差が大きいほどメリットも大きくなるので、ここで出来るだけ数字を
使って現状の問題を説明した方が良いでしょう。
bペットショップではなぜペットを捨てるのか
肯定側は、ペットショップでペットが捨てられている原因が「病気や怪我で商品に
ならなくなったから」としていますが、プラン導入によってお店ではペットを
売らなくなっても病気や怪我をするペットが出なくなる、または病気をしても
捨てられなくなる、という段階まで説明しているとは言えません。
簡単に飼えなくなる、の先を説明していただけるともっと理解・共感できるように
なると思います。
続いては肯定側の主な争点について取り上げたいと思います。
【２】プランを導入しなくても殺処分は減るか
否定側が資料を使って、現状でも殺処分されるペットが減っていて5年後にはゼロに
なる、という反論をしました。これには肯定側も反論しています。が、その前に
資料をよく読むと「犬の殺処分は減っていて5年後ゼロになるかも知れない。
でも猫の殺処分は横ばい」という内容になっています。
つまり、否定側の資料では現状で捨てられている29万匹全ての殺処分がゼロに
なるかもしれない、ことを証明できていません。
殺処分されている犬と猫の割合や数が示されていないので分かりませんが、
少なくともプランを導入せずに全ての殺処分がなくなるかもしれない、という
期待は持てなさそうだという結論に至りました。
【３】プランによってペットを飼う人は減るのか
これはデメリットのところでも若干議論になりました。
否定側は、プランが導入されてもペットを飼う人はいなくならないので、殺処分は
なくならない、という反論です。
たしかに肯定側はプランによってペットを飼う人が減るということを数字などで
証明していません。お店で買えなくなると、今と比べてどのくらい手に入れ
にくくなるのかも不明です。
肯定側はショップの殺処分が減る分と、買えなくなれば今よりは簡単に捨てなく
なるという論理で反駁しました。ジャッジとしては、具体的な数字は不明だが
ある程度今よりは捨てづらくなるだろう、と判断しました。
【４】国の専用施設は景気悪化を招くか
意外に議論が白熱しました。
今、お店にいるペットを国の専用施設に預けたら、景気悪化を招くか、雇用の確保
に繋がるか、という議論です。
これは、分かりません。どのくらいのお金が必要なのか、それは国が負担出来ない
くらいの額なのか、施設では何人くらい雇われるのか、などが議論されていない
からです。
ただ、この部分については、決着が付いたとしてもメリットとデメリットを比べる
大きな勝負の中ではあまり重要ではないかもしれません。
少し長くなりましたので、分割したいと思います。
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判定（その１）
/田村 晃 ＠ (10/05/20(Thu) 00:12) [#16]